貸金業法改正とグレーゾーンの撤廃 |
| 昨今グレーゾーン金利をめぐり、様々な消費者金融の問題が取りざたされていたが、そうしたグレーゾーンの撤廃に向けて、2010年6月18日、貸金業法改正が完全施行された。 グレーゾーン金利とは、貸金業法改正前に存在していた、「利息制限法」に定める上限金利は超えるものの、「出資法」に定める上限金利には満たない金利のこと。金利を制限する「利息制限法」と「出資法」という2つの法律が、同時に異なる上限金利を設定をしていたために生じた法的矛盾であるが、貸金業法改正後は、従来25.00%~29.20%とされていた「出資法」の金利が、「利息制限法」の金利と矛盾しない15.00%~20.00%に引き下げされ、これにより、グレーゾーン金利はこれまでの「グレー」から「黒」(刑事罰の対象)になった。 こうした貸金業法の改正をうけて、消費者金融各社ではこぞって上限金利の設定を引き下げると同時に、下限金利も軒並み引き下げた。これには、これまで20.00%以上の金利帯に頼って高収益を上げてきた金融各社が、法改正に伴う規制強化で業績悪化を少しでも避けるため、金利を全面的に引き下げることで、貸し倒れのリスクが低い優良顧客の囲い込みを図っているという背景があるといえる。 たとえば、上限金利について言うと、米シティグループ系で「ディック」のブランドで営業している消費者金融会社CFJでは、従来の金利上限29.20%を22.88%に、その後さらに17.88%へと徐々に再引き下げ、現行の実質年率は12.88%~17.88%となっている。 また、下限金利の引き下げについても、まず大手消費者金融のアコムが、新規顧客に対する貸出下限金利を12.00%から7.70%に引き下げ。それに追随し、プロミス、アイフルなども次々に下限金利を一桁台に再変更。これまで低金利が売りだった銀行や信販系が提供するカードローンとの金利帯と差が縮まった。これにより、銀行系のモビットなども下限金利の引き下げに踏み切っている。 「アコム」 変更前金利:15.00%~27.38%、変更後金利:7.70%~18.00%(2007年6月変更) 「プロミス」 変更前金利:17.80%~25.55%、変更後金利:7.90%~17.80%(2007年12月変更) 「アイフル」 変更前金利:12.77%~28.86%、変更後金利6.80%~18.00%(2007年8月に金利変更) 「モビット」 変更前金利:15.00%~18.00%、変更後金利:7.50%~18.00%、現行金利:4.80%~18.00%(2011年7月に最終変更) 上記のように、一見すると、消費者に対して有利に働きそうな今回の改正であるが、今までお金を借り易かった消費者金融から、一部の人は「お金が借りにくい状況」が生まれてきているのも事実だ。グレーゾーン金利を撤廃し、消費者金融の貸出金利が下がることで、融資の際の審査が厳格化し、消費者金融に融資を断られた人がヤミ金に手を出すのではないか、との懸念の声が存在している。 |